小児の訪問リハ〜知能について

生れた時に何らかのトラブルがあり、脳に障がいをもった子どものリハビリテーションでは注意していることがある。それはその子の知的能力についてである。

 

病院や療育センターなどのではその子どもについてカルテ等から多くの情報を得ることが出来る。一方で訪問リハビリテーションでは、主治医からの指示書に疾患名等の情報は得られるものの、圧倒的に情報量が少ない。両親に聞ける範囲での質問はして見るものの、医療職として欲しい情報にはたどり着けないこともあるし、親自体も分からない場合がある。

 

さて、身体機能については日頃からいろいろな人たちを診ているので評価出来る。しかし知的能力については大人のリハビリテーションではその機会は少ない。高次脳機能障がいや認知症などの場合ではそれに近い事を評価するものの、患者さんがどれくらいの知的障害者を持っているかは評価することはない。ところが小児の場合、彼ら・彼女らがどれくらいの知的能力持っているかを知ることは重要である。なぜなら、その子がこれから学校の授業についていったり、成長していく過程でどのような仕事に就いていけるのかを想像しながら、手の機能や移動手段がどうなれば実用的になるかを考えてリハビリテーションを行う必要があるからだ。ただ漫然と身体機能の維持改善を目的にするしていては長い長い人生にはリハビリテーションはあまり意味がないものとなってしまう。

 

小児の場合、日常生活動作ができることはもちろん大切だが、それ以上に生きていく術も何とか獲得することも大切になってくる。