痛みを我慢して行うのがリハビリテーションではない

訪問リハビリテーションで担当する患者さんの中には痛みに耐えて体を動かすすることがリハビリテーションだと思いこんでいる人たちもいる。例えばある関節に可動域制限がある場合、多少痛みを伴っても無理に関節を動かすという自主運動をされている方がいる。その痛みに打ち克って可動域が改善するのだと思ってしまっている。

 

そういう患者さんに出会った時はすぐに痛みを伴う自主運動をやめてもらうようにお願いしている。痛みはが悪化すれば少しでも動かすこと自体が苦痛になり、結果的には動けない体から今度は動かしたくない体そして動かしてはいけない体へと変わってしまう。また痛みというものは厄介で、慢性化してしまうとほんの少しの刺激でも大きな痛みと感じるようになってしまうし、生活の質そのものを大きく下げてしまう。

 

イメージとして痛みに耐えながら歯を食いしばってというのがリハビリテーションには少なからずある。しかし現在ではなるべく、可能なら全く痛みを出さないようにリハビリテーションを行うことが一番の近道となっている。そのために、痛み止めの服薬、安静にするべき時は安静にする、痛みのない範囲での効果的な運動や生活方法などを本当のリハビリテーションの現場では行っている。また療法士の中にも依然として存在する患者さんに痛みを出させるような療法士はまずもって避けるべきである。