介護報酬改定〜名ばかり訪問看護師になるのか

先日、訪問看護ステーションからのサービスにおいて療法士の訪問が主になっている事への抑制として、少なくとも3ヶ月に1回の看護師が必要となることについての私の意見を書いた。

なぜ看護師が訪問するのか - 訪問リハビリテーション日記

 

患者さん、療法士、看護師からの視点ばかりになってしまい、重要な1つの視点が欠けていた。ケアマネージャーからの視点である。少なくとも3ヶ月に1回の看護師による訪問も当然ケアプランに組み込まれるべきであるが、そこで看護師の訪問による介護報酬が発生すると問題が生じる場合がある。まず考えられるのは、患者さんによっては保険点数が不足し療法士によるリハビリテーションを1回程度削ることが必要なケースである。これは患者さんからも下手をするとクレームの対象となり得る。もうひとつは、ケアプランの作成と保険会社の計算が看護師の訪問月のみ変化するするという煩わしさである。

 

ここで生じる問題を解決する一番簡単な方法は、看護師による訪問を無料とする事である。恐らく患者さん獲得のためには、「私たちの訪問看護ステーションでは看護師による訪問は無料で行わさせてもらいます」と出る事業所も少なくないだろう。少なくとも患者さん、ケアマネージャーの視点ではメリットの方が大きい。

 

しかし看護師はたとえ短時間といえ、訪問のための移動時間や患者情報を得たり実際に簡単なアセスメントをする時間を無料で提供する事になる。看護協会は看護師のサービスに価値がつかないことを看過するのだろうか?

こういう問題が生じることも当然織り込み済みだと思われ、今後どのような制度の解釈が行われ、現場で普及していくのか。自分の給与にも関わってくることながら、興味深く見ていきたい気持ちだ。

 

ただ恐らく制度として看護師の訪問を必ず何らかの形で算定する義務が発生しない限りは、看護師の無料労働となるだろうとは思う。現場の看護師としても給与が支払われていればそれで苛立ちはしないだろうし。(訪問看護ステーションという大きな枠で考えれば、看護師の訪問がなくてはならず、3ヶ月に1回の看護師による訪問は決してタダ働きではないのだが)