自宅生活の終了

今日も暑い一日だった。

梅雨も開けて夏本番である。

 

訪問リハに行っている患者さんの中には、デイサービスやら施設やらがどうしても嫌という方もいる。

これが大変なのは、家族は介護がかなりの重荷になっているので少しでも楽になりたいと思っている場合である。

 

本人の思いと家族の思いが食い違うが、家族はできるだけ親孝行したいと限界近くまで頑張る。

しかし、転倒や新たな病気を発症することなくなんとか過ごしてきた生活も、患者さんの年齢に限界が近づいていくる。

食事の量が落ち、今まで行けていたトイレに行くのも体力的に厳しくなり、徐々に精神的にも落ち込み始め、自分の限界を感じ始めるのである。

 

そして本人と家族の話し合いの結果、運良く入院できる病院なり施設なりが見つかるとそこで在宅生活に終止符を打つことになる。

 

私はいろいろな患者さんを見てきて、在宅医療の片隅に関わっているものの、在宅の限界が必ずあると思う。

先のような経過を経て在宅生活を終えられるのはある種の理想型なのではないかと考える。

 

本人の希望とそれを支える家族の協力と在宅生活を少しでもサポートする私達のような職種があっても、病気でも怪我でもなく、長く在宅生活を続けてきた結果として訪れた「老い」によっても在宅生活に終了が来るのである。ただし、受け皿がまだあっての話であることは覚えて置おなければならない。