7割以上が訪問看護で働きたくない

看護師の約8割が「訪問看護をしたいと思わない」―「医師に頼れない」「知らない人の家に行くのは……」など戸惑いの声 | キャリコネニュース

 

看護師の「訪問看護の仕事」に関する記事である。実際に数字で表わされると説得力が出る。看護師の男女の957人であるからそれなりの数の調査であるからなおさらだ。


訪問看護に「興味がない」「あまり興味がない」と回答した人は合計67.3%であり、また実際に訪問看護師として働いてみたいかの質問では「そう思わない」「あまりそう思わない」は合計76.5%とのこと。圧倒的割合の看護師が訪問看護で働きたくないと思っていることが分かる。

 

記事には具体的な理由もいくつか挙げられているが、興味深かったのは「ノルマがあるのか?」、「件数でお金がきまるのか?」という不安も挙がっていたことである。実際には事業所によって異なったり、療法士に比べるとまだ歩合制色は低いだろうが、気になるところだろう。病院では多くの患者さんをチームで看護しており、チームとしての仕事や稼ぎという色合いが強い。それが訪問では、ほぼ個人であるし、稼ぎも目に見えて出てしまう。

 

訪問看護は看護師として働くのには、「どうしても在宅で働きたい」という余程な気持ちがない限りは、夜勤を避けたい、家庭事情などにより土日祝日などのはっきり決まった休みが欲しいなどのどうしても病院で働けない理由がない限りはデメリットの方が多い。雨天や寒さ暑さの中での移動、移動することで生じる交通事故の可能性(はっきり言って交通事故者数がかなりいる)、トイレの不安、人間関係でのトラブル(訪問では個人対個人であり、患者だけでなく、家族とも基本個人で対応しなくてはならないので、病院とはまた違った関係性になるため)などきりがない。

 

はっきり言って厚生労働省が質の高い訪問看護の報酬を手厚くする方針にしたところで、看護師にとっては勤めている病院を辞めて、訪問看護で働くインセンティブがほぼないに等しいので、”絵に描いた餅”にしか見えない。