意思伝達装置について

病院で働いていた時から含めてこれまで数人の患者さんの意思伝達装置の導入に関わったことがある。


意思伝達装置とは、神経や筋肉の疾患あるいは人工呼吸器の使用により口頭でのコミュニケーションが難しい場合に、パソコンなどを使用して自分の意思を伝えるための機器である。関わった絶対数が少ないためどれ程役立つかは不明だが、関わった中で失敗も経験したので少しでも参考になればと思う。

 

まず意思伝達装置だが、そばにいる人とのコミュニケーションができれば良いのかメールなど使いたいのか、更に多くのパソコン機能を使いたいたいのかで選ぶモノが変わってくる。いずれも目的にあった機器がメーカーから発売されている。

 

次に意思伝達装置を操作するための入力スイッチが必要となる。このスイッチも、利用者がどれくらい手指を動かせるかで選択が変わってくる。ある程度の力が残っているのならば押しボタン式のモノは誤操作も少なく操作感がしっかりしているので第一候補になる。進行性の疾患であったり、そこまでの筋力がない場合は皮膚に貼り付けてその皮膚の”たわみ”に反応してくれるタイプのスイッチがある。皮膚がたわむ程の動きが難しく本当に少し動きがある程度ならば接触するだけで(静電気で)反応するタイプのスイッチを選択することが多い。

 

そして最後は意思伝達装置を利用者が見えるように固定するための器具である。使用する時に頭を上げることが可能ならば単純にテーブルの上に置くだけでいいだろう。しかし寝たままの状態でも使用したり、車椅子に座っている時にも使用するのならば必要な角度で意思伝達装置を固定できる器具が必要となるのだ。


本当に簡単ではあるが意思伝達装置を導入するに当たって最低限以上はチェックしておく必要がある。また実際に操作してみないと分からないのは事実なので、業者さんにデモンストレーションが可能かなども連絡をとって手配することも必要となってくることを忘れずに。